篠田真由美『美しきもの見し人は』(光文社カッパノベルス)レビュー

美しきもの見し人は (カッパ・ノベルス)

美しきもの見し人は (カッパ・ノベルス)



 前作より、「ゴシックロマンス」としての結構は勝っているように思う。キリスト的なるものをめぐる議論と、聖性と共同性が交錯するラストまで、物語はサスペンスフルに展開する。