桐野夏生『東京島』(新潮社)レビュー

東京島

東京島



 サバイバル小説と、“社会”が生成される現場へと遡行するモチベーションが交錯して、先行する名作たちとは、また違った味わいを持つものに。女主人公のキャラを、極限状況にて、とことん追求しようとする試みが、原基的なものだろう。