道尾秀介『カラスの親指』(講談社)レビュー

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb



 『片眼の猿』が疑似家族テーマの射程内に留まっているとするならば、本作は、そうと見せかけて、実はその向こう側へ突き抜けた快作。そう、“父親”という存在をめぐる寓話でもあるのです。