湊かなえ『告白』(双葉社)レビュー

告白

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 本年度のピカイチの新人であるという評価は妥当なところ。あざとさから紙一重のところですくっているのは、その筆力と大胆な物語の展開だろう。「告白」という題名とは裏腹に、登場人物たちが“神”に赦しを乞うてないようにみえるところに、本作の魅力の淵源がある。