パオロ・マッツァリーノ『ほろ苦教育劇場 コドモダマシ』(春秋社)レビュー

コドモダマシ―ほろ苦教育劇場

コドモダマシ―ほろ苦教育劇場



 「数々の矛盾を抱えながら、答のない世界で生き延びること、それが人生です」。平凡、だからこその至言。でありますが、コドモはわかってくれないのです。そんなオトナのあなたに捧げられた、(反)社会学的人生問答実践集。コドモにこう訊かれたら、ああ返せ。そうこられたら、こう往なせ。でも、知らぬ間に啓蒙されてたら、それはこちらがコドモだってこと? 個人的には、団塊世代(でも学歴エリートでない、ということはノンポリですらない)の失業中のとなりのご主人の意見(異見)に、説得されるところ大でありました。あと、おじいちゃんの「こどものケンカに親が出るな、なんてのは、立場の強い加害者側が使う脅し文句だ」と言い切るところに、共感。さらに、『ドラゴン桜』のしょーもないイデオロギー性をあてこすったくだりには、溜飲を下げる。