黒川博行『煙霞』(文藝春秋)レビュー

煙霞

煙霞



 コンゲーム小説の醍醐味を満喫させてくれるけれども、なによりも文章の息遣いが相変わらずいい。学園の内紛が土地コロガシに絡む金(ゴールドのほう)争奪戦へと、物語も転がっていく。リアリティあれども泥臭くないのがマル。