水原秀策『偽りのスラッガー』(双葉社)レビュー

偽りのスラッガー

偽りのスラッガー



 語り口がうまいので、プロ野球選手探偵という設定も違和感がない。狂言回しから、ある種の自己救済のストーリーへ、そのカタルシスを予感させるが、全然あざとさを感じさせないのは、プロ野球の世界が、もうすでに十分ドラマティックだからだろうか。