飯田泰之『経済成長って何で必要なんだろう? 』(光文社)レビュー

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)



 芹沢一也荻上チキのプロデュースするSYNODOS の書籍シリーズである本書は、 リフレ派論客の飯田泰之を迎えて、三つの対談を収録したもの。「経済成長」の政策的必要性(必然性)を、個別のイシューごとにきっちり説明していく。が、いちばん印象に残ったのが、湯浅誠の戦略的パフォーマンスにかける切実さ。頭がいいひとは、左右の壁を超越するといういい例だよね。ただ、ベーシック・インカムもしくは給付付き所得税の導入があれば、最低賃金制度はいらないというのは正論だけれども、生産性の低いところから高いところに労働力を移動させる(お給料の悪いところからもっと良いところへ労働力が移転する)というのが、「雇用の流動化」の本旨であるならば、解雇規制の緩和はやっぱりいらないんじゃないかと思います。