- 作者: 原武史
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
いかにも、というような取り合わせ。収録されている文章のうちで、重要なのは、巻末の二編、北田暁大と中島岳志の「ナショナリズム」をめぐる議論。とくに北田が、「下からのナショナリズム」という現象の把捉の仕方を、社会学的見地から批判していて、さらに、比較的穏健である「上からのナショナリズム」を、そのあり方として肯定的に見ることの抑圧性を指摘しているのは、「ナショナリズム」をめぐる議論の間隙を突いたものだろう。中島は、アジア主義の問題性を剔抉し、自由民権運動と密接な繋がりがあった初期右翼運動が、なぜ国権主義に転向せざるをえなかったのか、「ナショナリズム」の限界を示唆する。