本年のワタクシめは……



 さあ年末ベストテンウィークです。テンが明らかになるまえに、ワタクシめの今年の本ミス読者投票を曝します。だれがトップでもおかしくないぞ、今年は。

2010

1位:『玻璃の家』松本寛大
2位:『秋期限定栗きんとん事件 上・下』米澤穂信
3位:『神国崩壊―探偵府と四つの綺譚』獅子宮敏彦
4位:『身代わり』西澤保彦
5位:『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』北山猛邦

コメント
 今年は、どうしても、拭えぬ淋しい気持ちとともに回顧せざるをえない一年です。ですから余計に、ニューカマーの力作を頼もしく思えてしまうのでしょう。『玻璃の家』には、賞賛を惜しみません。福ミスのような文学賞からこのような作品がでてきたのは、既存の公募新人賞(メフィスト賞も含めて)に対する痛烈な一撃というべきこと。
 米澤さんは、本当に小説が上手くなった。『追想五断章』は無論だけれども、『秋期限定栗きんとん事件』の小鳩くんのモノローグの味わいは、誰にも真似できぬ境地に達しています。
 『神国崩壊』は、「マテンドーラの戦い」だけでも、買い。今年の奇想系本格の代表作。
 『身代わり』は、西澤本格の凄みを堪能。
 あと、北山さんも小説に余裕がでてきましたね。もっと面白可笑しくやっちゃってもいい。ラノベ的なものとサヨナラしちゃっていいと思います。