似鳥鶏『さよならの次にくる  』(創元推理文庫) レビュー

本日のエピグラフ

 「子供、って、そんなに欲しいものですか」/(…)/「いなくてもいいと思う人はいるだろう。だが失っていいと思う人はいない」(<新学期編>P298より)

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)


 
ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル40


 とある学園小説を「老獪」と評するのなら、『サンドリヨン』のひとより、こちらの方に捧げたほうがよいのではないか、と。逆に、こちら側から『サンドリヨン』を見た場合、微妙に空回っているのがわかる、というか。様々なギミックを利かせながら、大団円へと読者を誘う手付きは堂に入ったもの。特に、キャラがハメをはずしたときの描写が上手い。