笹本稜平『越境捜査2  挑発』(双葉社)レビュー

越境捜査2 挑発

越境捜査2 挑発



 続編は期待に違わぬサスペンスフルな力作。パチンコ業界の帝王が手を染めた悪事を追うために、ひょんなことからまた手を組むことになったあのふたりが、調子のいいヤクザに首を突っ込まれつつ、警察の組織的腐敗の核心部へ迫っていくことになる。隠密捜査行と濡れ手に粟的モチベーションが絡み合っているところがミソで、このコンセプトをシリーズの基調とするのだろう。この側面が、生臭く物騒な警察小説に巧まざるユーモアを醸し出して、愉しく読めるゆえん。…………で、オレが一番上のエントリで言わんとしているのは、オタク利権が、第二のパチンコ利権状態になりますよってことなのよ。