近藤史恵『薔薇を拒む』(講談社)レビュー

薔薇を拒む

薔薇を拒む



 作者の美意識が前面に出た、久しぶりの心理サスペンス。ゴシック調の設定を違和感なく使いこなして、破局にいたるまでリリカルな緊張感を維持して、題名のもとに物語を結晶させる。