伯方雪日『死闘館  我が血を嗣ぐもの』(東京創元社)レビュー

本日のエピグラフ

 「(…)そのマナを持つに値しない人の体に流れこんだマナは、その人を傷つけ、殺すことにもなるだろう」(P118より)

死闘館 (我が血を嗣ぐもの) (ミステリ・フロンティア)

死闘館 (我が血を嗣ぐもの) (ミステリ・フロンティア)



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 トリッキーさでは、『蝦蟇倉市事件』に提供したもののほうが上だけれども、思わせぶりなネタ振りと、特殊な規範意識の支配する格闘家一族の醸し出すサスペンスで、持ち重りのある長編を物した。前作から6年ぶり、この路線を維持するなら、寡作になるのが必然か。