山口雅也『キッド・ピストルズの醜態』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ

 「は、あ?殺人鵞鳥マーダーグース? あの、マザーグースの童謡どおりの残忍な見立て殺人をして悦に入ってたイカレポンチ?」(「三人の災厄の息子の冒険」P213より)

キッド・ピストルズの醜態

キッド・ピストルズの醜態



ミステリアス
クロバット
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル40


 何とか、キッドものは、一年に一冊出ないものかなあ。おなじみのネタを作者流に料理した「だらしない男の密室」、サイコ本格「《革服の男》が多過ぎる」、物語の設定がもはや新鮮でなくとも、マザーグースにくるんで奇妙な味として演出した「三人の災厄の息子の冒険」、作者の知的アクロバットの冴えを堪能。