海堂尊『ナニワ・モンスター』(新潮社)レビュー

ナニワ・モンスター

ナニワ・モンスター



 臆面もなくキャラ小説道を邁進する作者の妖刀の切っ先は、極東の島国の官僚制度の心臓部に向いているが、本作ではこの国のヘタレた情況に対する叛乱へのシンパシーとシニカルな意識を、ローラーコースター的物語に纏め上げた。でも、このひと、賞とは無縁に終わっちゃうのかなあ。