柴田哲孝『冬蛾』(祥伝社)レビュー

冬蛾

冬蛾



 シリーズ前作が地方都市を舞台にしたものなら、本作はもっとディープに特殊な因習に縛られている村落の殺人ゲームの謎を追う。うわあ、派手なドンパチよりも、インパクト大だわあ。21世紀のグローバリズムもどこ吹く風、欲望は逼塞する共同体内部で猖獗を極める。