湊かなえ『境遇』(双葉社)レビュー

境遇

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 ドメスティック・スリラーの書き手として、着実に地歩を固めている作者だが、本作は、運命性と対峙する負荷が呼び込むサスペンスを、家族小説とうまくつなげて見せた。過去との往還に、この人らしさが出ているような。