門井慶喜『竹島』(実業之日本社)レビュー

竹島

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 なんともタイムリーな時期に読んだものだけれども、作者の基本的なスタンスは小気味のいいピカレスク小説路線なので、楽しい。国家を手玉に取ろうとする痛快さと滑稽さをないまぜにして、シニカルな手触りを残す。