大倉崇裕『問題物件』(光文社)レビュー

本日のエピグラフ

 「部屋なぞ、好きなだけ見られるさ。外界と部屋を分けているのは、薄い扉一枚だ。そんなもの、俺が蹴破って……」(「誰もいない部屋」p.273)

問題物件

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ミステリアス
クロバット
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アレゴリカル
インプレッション
トータル42


 趣向がイカしているシリーズ短編集。話を重ねるのにつれて、ギミックが濃くなっていくのが、花マルです。ひとを食ったような味わいを出しながら、ミステリーの構築性を堪能させる力量は、相変わらず頼もしい。今年は作者の本が多く出て良かったな。