八木圭一『一千兆円の身代金』(宝島社)レビュー

一千兆円の身代金

一千兆円の身代金



 今年度このミス大賞受賞のもう一作も、展開が派手なほう。ただ、作者の主題意識が、この物語のプロットを必要としていたかどうか、説得的ではないだろう。大名作たる天藤真大誘拐』に匹敵するほどのテンションは期待したかった。