伊与原新『博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室 』(集英社)レビュー

博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室

博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室



 宮沢賢治の話が個人的には面白い。一編一編かっちりとまとまった短編集で、純粋な衒学性を可能にする装置としての博物館という舞台は魅力的だけれども、こういうアプローチでは小説的に新味が出せないのかも。