本城雅人『誉れ高き勇敢なブルーよ』(東京創元社)レビュー

誉れ高き勇敢なブルーよ

誉れ高き勇敢なブルーよ



 サッカーというスポーツ・ビジネスの内幕を、タイムリミットの範型を採用して、スリラー仕立てで描いた。門外漢にもページを繰る手を止めさせないのは、この世界の大小様々なアクターたちの群像劇のニュアンスを残して、アモルファスな欲望の流れを感得させるからだ。それは、文化産業としてのスポーツの収まりの良し悪しに起因するものだろうが。