- 作者: 早野龍五,糸井重里
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 文庫
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ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。(「もうひとつのあとがき」より)
“他者”に差し向けるコトバを、“他者”に届かせるために、必要なプロセスは何か。
コミュニケーションは、“政治的なもの”と不可分にあるのは、必然的である。しかし、コミュニケーションが政治的エコノミーに蚕食される必然性は、ない。
上記の五つの基準は、「正義」の「語り」なるものを相対化することを軸に、「スキャンダラス」なのは「ユーモア」がない、「脅かす」のは「失礼」である、と言っているのだ。
そのコミュニケーションが、救済でありうるのか、簒奪でしかないのか、その分水嶺は、「正義」がイデオロギーではなく、いかに公正さに基づくものであるかの配慮、にあるのだと思う。