石持浅海『凪の司祭』(幻冬舎)レビュー

凪の司祭

凪の司祭



 まあリアルなホラーとして読むべきなんでしょうね。都市空間の破滅的なまでの空虚性を、テロリズムの寓話として示したともいえるけれども、物語におけるカタルシスが浮遊しているような感があり、作者の計算はやや甘かったかなとも。