- 作者: 水生大海
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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冒頭、この作者はわざわざケーサツ小説に手を染めなくていいのに、と思ったが、あれよあれよという間に、ア然とする結末へ……ギミック重視の構成で、小説の結構はナラティブのスイッチングによる不安定さにさらされるが、そうであるがゆえ(?)の間歇的に噴出する不吉な予感は、計算上のものかはいざ知らず、先読みを許さず翻弄させてくれた。最終的に露わになるテーマは、近年話題になった某作よりも、切迫性がある。物騒なものだけれども。