山口雅也『落語魅捨理全集 坊主の愉しみ 』(講談社)レビュー

落語魅捨理全集 坊主の愉しみ

落語魅捨理全集 坊主の愉しみ



 古典落語本歌取りミステリとか諧謔ファースとか、そんなもんでなく、ただひたすらパンキッシュ。ナンセンスの意味合いの押し広げ方に作者の奔放な奇想ぶりを頼もしく愉しめるが、ミステリ的興味は斜め上の方向に逸らされるとでも言ったらいいかな。