伊藤たかみ『ぼくらのセイキマツ』(理論社)レビュー


ぼくらのセイキマツ

ぼくらのセイキマツ


 やっぱり凡百のコドモダマシ作家と違って、文章の息遣いの上手いこと巧いこと。ゆるやかに主人公たちを襲う焦燥感と停滞感。世間を覆う空気感への反発と抵抗。リッパに愉しい児童文学なのに、なんともみずみずしいラブストーリーだ。コドモ時代のマジメな七転八倒ぶりが懐かしい人にオススメ。