クリス松村『「誰にも書けない」アイドル論』 (小学館新書)



 アイドル関連の本だと、近年の名著だなあ、とつくづく。アイドル「冬の時代」前の80年代アイドルのデビュー状況を年ごとに逐一つまびらかにしてくれる。アイドルがヒットチャートの上位を占めていた時代は、じつはシングルの総売り上げが低く、アイドルが時代の鬼っ子だと断じるくだりは、アイドルファンであるが故の熱いエピソードが数々語られているだけに、ちょいグッとくるものがあるね。