仮構の告白


 久しぶりに読んだ作者。近年は意固地な自意識をどう切開していくか、に焦点を合わせ続けているようだ。本作は、私秘的な領域と、露出された行為行動の連関に有意なものを見出そうとして、挫折するさまを描いているかのようだ。文学的な自意識に碑銘はあるのだろうか。