- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/06/29
- メディア: 文庫
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 6 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 7 |
トータル | 37 |
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というわけで、本作は、ちょうど“バブル”リベラリズムからネオリベラズムへの移行期の物語と捉えることができるんですよね。虚像の家族をみなごろしにした男の“亡霊”が成仏するのは、「(前略)やっぱり成人しておばさんたちが邪魔になったとき、僕もおばさんたちを殺したんだろうか」という問いに答えられたとき、それまでは、バブルの遺骸である高級マンションに地縛しつづける。さあ、“90年代”を経た我々は、果たして…………。それにしても、宮部みゆきは、<本格>の定型をはずしても、なおもミステリアスな物語を紡ぐのが、実に上手いよなあ。これで直木賞取ったのは、作者にとって幸福だったと改めて思う。――で、なぜ本作を再読したのかといえば、無論アレを読むためです。