乙一『銃とチョコレート』(講談社)レビュー

本日のエピグラフ

 たびをする父と母にさちあれ。(P374より)

銃とチョコレート (ミステリーランド)

銃とチョコレート (ミステリーランド)


 
ミステリアス7 
クロバット8 
サスペンス8 
アレゴリカル9 
インプレッション8 
トータル40  


 「かつて子どもだったあなた」向けの物語かなと思ったんですが、ちゃんと「少年少女」も読めるお話でした。まあ、『DETH NOTE』が読まれている状況でこんなこと気にするのも、意味ないんですけれども。――乙一がこのようなディアスポラ文学を物したのは、もしかしたら“セカイ”から<世界>に本格的に関心を移したからかも。何せ「きみとぼく」からエディプスの三角形だもんね。