- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: 単行本
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (52件) を見る
ミステリアス | 8 |
アクロバット | 7 |
サスペンス | 8 |
アレゴリカル | 9 |
インプレッション | 7 |
トータル | 39 |
---|
この作者が、“日常”というものに対して、その小宇宙の成り立ち、在りように、いかに鋭敏な感覚を働かせているかがわかる。「溶けていく」「俺の席」はその“世界”が割れていく過程を綴り、逆に「白い朝」は“世界”が結晶するその瞬間を、これ以上なく鮮やかに切り取った、名作。“日常の謎”の物語が、その絵解きそのものが、一編の小説としてのカタルシスにまでたかめられている。そして、佳品「蝶」では“世界”の“裏側”を不気味に喚起する。――「新釈おとぎばなし」は、編集者はもっと続編を書かせましょう。