松尾由美『安楽椅子探偵アーチー オランダ水牛の謎』(東京創元社)レビュー


 
ミステリアス8 
クロバット8 
サスペンス6 
アレゴリカル7 
インプレッション7 
トータル36  


 ジュブナイル。謎解きにおけるネタ割りが優れていて、多重解決のスリルを味わわせてくれるだろう、思春期前期のちょっとひねたお子たちにも。だから、“解決”の段はしょぼくていいの。「イギリス雨傘の謎」は、HMC年鑑のほうに収録されてもいい佳品。「インド更紗の謎」はホワイダニットをメルヘンに繋げて、巧い。アーチー受難篇「エジプト猫の謎」は、有栖川有栖ペルシャ猫の謎」のことを想起してしまい思わず身構えたんですが、マトモな作品でよござんした。