京極夏彦『邪魅の雫』(講談社ノベルズ)レビュー

邪魅の雫 (講談社ノベルス)

邪魅の雫 (講談社ノベルス)


 
ミステリアス8 
クロバット8 
サスペンス8 
アレゴリカル8 
インプレッション7 
トータル39  


 今年度の台風の目。何位を占めるか、よりも、この上になにが来るのかで、今後の<本格>界を占えそう――って、1位じゃないんかい。私は京極小説を、“迂回”小説として捉えているけれども(だからポストモダン文学なのよん)、本作における“厚み”は、“迂回”ゆえではなく、作者の企みの必然的な要請から。“迂回”ではなく、徘徊、かなあ。