戸梶圭太『誘拐の誤差』(双葉社)レビュー

誘拐の誤差

誘拐の誤差


 
 戸梶のいうバカって、たぶん本を読まないヒトたちのことなんだろうなあ。そうでなきゃ、ここまでヒト様をおちょくれない。“愛”なんてないもんね。だから本を読むワタクシどもは、思う存分ウヒウヒ笑えばいいんだと思う。今回は「リアリズム」小説を、“三人称”叙述という地点から揶揄した快作。しかし、“信頼できない語り手”がヒト様の内面を「スキャン」するとき、脳ミソのどこを狙っているんでしょ。