古野まほろ『天帝のはしたなき果実』(講談社ノベルズ)レビュー

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)


 
ミステリアス8 
クロバット9 
サスペンス7 
アレゴリカル7 
インプレッション8 
トータル39  


 おもしろーい。<本格>的興味からみれば、セカイな学園小説でベタな多重解決趣向をやるのは芸がないので、ペダンティックというよりはインターテクスチュアルというべき大伽藍を構築して、“前記号態”的エレメントをふんだんにばら撒いて、“セカイ”をカーニヴァル化したってわけ。いよっ、チベットワーグナー! なんて。にしても、“セカイ”系とダーウィニズムの関係性っていうのは、興味深い主題だわな。