- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 8 |
サスペンス | 7 |
アレゴリカル | 8 |
インプレッション | 8 |
トータル | 39 |
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“大義”と“私情”(=“私怨”)の拮抗がミステリーの源泉となる。“大義”を吹く俗物が、「幻の橋」と表題作で、“私情”(=“私怨”)に裁かれることになるが、方向性は逆である。しかし、根本的には“倫理”の優位を、お互いがお互いに対して主張できないのが、“私情”のそれたる所以だ。“私情”に貴賤はないのである。このことが、逆説的に論理に“倫理”からの切断性をもたらすかもしれず、“私情”が“大義”へと変容せず、その個別的な核の部分として、その者の存在をささえるやもしれないのだが。