海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』(宝島社)レビュー

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋


 
 ほんっっっっっとに、小説が上手いよなあ。テレビドラマ的なキャラクターの約め方を成立させるためにも、小説技巧が必要である、ということ。“病院”をカーニヴァル空間に仕立て上げて、見事な筆の捌きっぷりです。ワタクシ的には、『ナイチンゲールの沈黙』のパラ・ストーリーというよりも、『螺鈿迷宮』の前日談というのが、本書の位置づけ。