加納朋子『ぐるぐる猿と歌う鳥』(講談社)レビュー

ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)

ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)


 
ミステリアス8 
クロバット8 
サスペンス7 
アレゴリカル8 
インプレッション8 
トータル39  


 密集している社宅の屋根の上に、ナスカの地上絵のぐるぐる猿とハミングバードが描かれる“奇想”がすごく印象的。子どもを取り囲む暴力性の問題を押さえつつ、ギミックに彩られた子どもたちのスクールライフを紡いでいく作者の手付きはたおやかなもの。<名探偵>が、子どもたちの共同体の核になっている設定には、興味をそそられた。