- 作者: 青井夏海
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/07/24
- メディア: 単行本
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 7 |
サスペンス | 7 |
アレゴリカル | 7 |
インプレッション | 8 |
トータル | 37 |
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本作と同じ、宅配ドライバーを主人公とする坂木司『ワーキング・ホリデー』がミステリでなかったぶん、余計に愉しめたのかも。現在のセキュリティ意識の昂進と小市民エゴを背景にした冒頭の「みどりのおじさん」がいちばん生々しいか。集中、最も寓話的で、これだけ浮き上がっている感のある「銀幕の恋人」が、“本格”的興味をいちばん満喫させてくれるかな。「透明な面影」は執事ミステリ? “日常の謎”系のなかで、様々に“物語”のトーンを違えてくれるけれども、掉尾を飾る「ウサギたちの明日」は、冒頭の話と対になるかたちで、小市民エゴの社会的意識を鋭く告発して、淡い感動を呼ぶ。