- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/09/25
- メディア: 単行本
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あまりにも愉しく読めた小説には、その作者が楽しく書いたであろうことを、祈りたくなってくる。本作には、エンタメ職人として開き直ったゆえの潔さがある、といったら勘ぐりすぎかしらん。キャラにやつしきった語り口の上手さもさることながら、情景描写が容易に映像として立ち現れる遡及力を持つのが、魅力をいや増しているのは、間違いないところ。これが直木賞を取らなかったら、もう終りですよ。無論直木賞のほうが。