筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(新潮社)レビュー

ダンシング・ヴァニティ

ダンシング・ヴァニティ



 ゲーム的リアリズムを、反復強迫の位相へ落とし込むのは、この人ならではの“悪意”。白いフクロウが作品空間内を出没するのは、“終わり”がその内実を喪失しているからか。で、そこのトコロを老境小説へとつなげるのも、このひとらしいといえば、そう。