貴志祐介『狐火の家』(角川書店)レビュー

本日のエピグラフ

 『(…)現場が密室っていうことで弁護方針が立たずに相当困ってたみたいでね。(…)』(「狐火の家」P24より)
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ミステリアス
クロバット10
サスペンス
アレゴリカル
インプレッション
トータル45


 “密室”に対するロジックによる綿密なアプローチ。直観型反転劇とはまた違うカタルシスを与えるのに成功している。けれども、それよりも、ディテールの追求が、必然的にファースへと転化していく「黒い牙」に、作者の小説技巧の冴えを見る。文句なく面白いです。