本日のエピグラフ
「わたしは、梶間さんが殺しにくい環境を作りました。けれど、あくまで環境だけです。(…)」(P240より)
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
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ミステリアス | 8 |
アクロバット | 10 |
サスペンス | 9 |
アレゴリカル | 10 |
インプレッション | 10 |
トータル | 47 |
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「殺人」にいたるアフォーダンスをめぐる闘争。それにしても、こんなことを思いつくなんて、ね。この作者が、現在の本格シーンにおいて、一歩先んじた位置にいるのは、確かなようだ。エピローグは、ヘーゲルの主人と奴隷の弁証法を倒錯させた感があるけれども、“主人”の役割に固執した男のモノローグが、果たして妄念であるのかないのか、即ち“探偵”と“犯人”のどちらが闘争に勝ったのか、という点にも、物語の未決性は求められるべきだろう。