芦辺拓『裁判員法廷』(文藝春秋)レビュー

本日のエピグラフ

 あなたの確信と決意がどんなに固くとも、ほかの人々を納得させられなければ、無実の者を冤獄に落とし、あるいは罰を受けるべきものを野に放つ結果となるだろう。(「審理」P73より)

裁判員法廷

裁判員法廷


 
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トータル40


 来るべき時代の法廷ミステリのアーキタイプを目指したものと合点すれば…………うふうふ。森江春策の(メタ)メッセージを、裁判員たる「あなた」が受け取るや否やに、物語の焦点は絞られてくるが、小説空間への臨場感を醸すことに成功している。……わけだから、ね。うふ。