篠田節子『 Χωρα ―死都― 』(文藝春秋)レビュー

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 宗教をめぐる議論から、超自然的世界が開示される展開は、さすがに危なげないもの。さらに、“音楽”という要素もからまれば、もう作者の独壇場である。生と死の二項対立的図式にあてはめたのは、やや予定調和のきらいはあるけれども。