鳥飼否宇『爆発的――七つの箱の死』(双葉社)レビュー

爆発的 七つの箱の死

爆発的 七つの箱の死


 
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 探偵小説論において“死体”は、しばしばオブジェに譬えられてきたのだけれども、さらにそれを小説の側から丸呑みした感じの作品集。しかしなんだか、前衛芸術家たちも、オブジェっぽい存在に見えてきたのは、作者の意図かしらん。三番目と六番目の話のオブジェっぷりもいいけれど、それよりも冒頭の話のオチがグー。