不知火京介『ただいま』(光文社)レビュー

ただいま

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 推理小説年鑑に収録された「あなたに会いたくて」が面白かったので繙いたけれども、総体として、“記憶”を介した人と人との出会いを描いた、奇妙な味系の短編集。とくに、表題作と「夢の中へ」は、いい雰囲気が醸し出されて、とても好感をもった。