大崎梢『ねずみ石』(光文社)レビュー

ねずみ石

ねずみ石



 作者のこれまでの作品のなかでは、個人的にいちばんいいと思う。郊外化する片田舎の現状をおさえつつ、スリーピング・マーダーテーマの範型を借りて、瑞々しい成長小説を描いた。少年たちの素朴な交歓が、なんだかホッとする。